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主語＋動詞＋その他

のその他の部分には原則として名詞が来ます（もちろん,文章が複雑になればそれに限りません）。名詞が来るということは冠詞が付くというわけで,ドイツ語の場合は名詞の性（男性・女性・中性）や格（1格〜4格）によって使い分けるのでしたね。

私は〜をした。　例：私は本を読んだ。　・・・その他の部分に4格が来る場合。
私は〜にした。　例：私は彼に注意した。　・・・その他の部分に3格が来る場合。
私は〜に〜をした。　例：私は父親に挨拶をした。　・・・その他の部分に3格と4格が来る場合。
私は〜の〜をした。　例：私は学校の規則を破った。　・・・その他の部分に2格と4格が来る場合。
私は〜の〜に〜をした。　例：私は図書館の本に印をした。　・・・その他の部分に2･3･4格が来る場合。

　格の説明についてのページで紹介した形を確認しておきましょう。

主語　＋　動詞　＋　A　＋　B　・・・（1）　ここではこれを1型と呼びましょう

主語　＋　動詞　＋　A　・・・（2）　ここではこれを2型と呼びましょう

Point!!

1. 文章が1型なのか2型なのかを考える。つまり動詞以降に名詞がいくつあるかを見極める。
2. 1型・2型のどちらの場合においてもAに2格がくることはない。
3. 1型の場合はAにはほぼ間違いなく3格が来る。

　以上のことから,

• 1型の場合ならBに2格が来るか4格が来るかだけを考えれば良い。
  1. 2格が来る場合は「〜の〜を」という訳になる。
  2. 4格が来る場合は「〜に〜を」という訳になる。
• 2型の場合ならAには3格か4格しか来ない。
  1. 3格が来る場合は「〜に〜する。」という訳になる。
  2. 4格が来る場合は「〜を〜する。」という訳になる。

例　題　以下のドイツ語を和訳せよ（緑色は動詞）。

1. Der Vater liebt den Sohn.

2. Der Sohn ehrt und liebt den Vater.

3. Der Arzt sagt der Mutter die Wahrheit.

4. Die Mutter des Kindes dankt dem Arzt.

解　説

1.　動詞の後には名詞が1つだけなのでこの文は2型ですね。つまりSohnが何格かを考えれば良いわけですが,2型の場合,Sohnは3格か4格のどちらかです。

もし3格なら、、、「父親は息子に愛している」
もし4格なら、、、「父親は息子を愛している」

　これは文章の流れからして4格が正解だとわかりますね。Sohnは男性名詞なので4格の場合に付くべき冠詞はdenです。

2.　これも2型。

もし3格なら、、、「息子は父親に敬愛している。」
もし4格なら、、、「息子は父親を敬愛している。」

　正解は4格の場合の訳。Vaterは男性名詞。

3.　これは動詞（sagen=言う）の後に名詞が2つ（Wahrheit=真実）あるので1型の文章です。つまりAにあたるのがder Mutter,Bにあたるのがdie Wahrheitとなるわけです。そうするとBにあたるWahrheitが2格であるか4格であるかを考えれば良いわけです。

もしBが2格なら、、、「医者は母親に真実のいった。」
もしBが4格なら、、、「医者は母親に真実をいった。」

　これは明らかに4格であることが分かるでしょう。

4.　これは2型の文章ですが,主語が少し今までと違います。

Die Mutter des Kindesを訳すと「子どもの母親」となります。日本語で言う「〜の〜」という表現はドイツ語では名詞＋2格で表されます。これは英語ではmother of childern=子どもの母親というのと同じ仕組みです。

「子どもの母親は医者にお礼をいった。」

　このように文章の流れで何格かを考えるのも大切ですが,慣れてくれば（名詞の性が分かっていれば）冠詞の形をみればその名詞が何格であるか簡単に分かるわけです。英語に比べて冠詞を厳密に別けて考えなければいけないので大変ですが,1度理解してしまえばドイツ語のほうが分かり易いですね。