最終更新日 ： 2007.10.13
名詞には性別があります ドイツ語の冠詞を覚えよう
ドイツ語においては、名詞それぞれに性別があります。ですから、ドイツ語では単に名詞といっても、男性名詞、女性名詞、中性名詞の3タイプがあるわけで、これらを区別して使いこなさなければなりません。
なぜ名詞の性を覚えなければならないかというと、それは冠詞をつける際に必要だからです。英語では、冠詞は定冠詞（the）と不定冠詞（aもしくはan）の2種類がありましたが、ドイツ語も同じく定冠詞と不定冠詞があります。しかし、ドイツ語の冠詞は名詞の性によって形が異なるばかりか、格によっても変化していくのです。
| 男性名詞 Vater（父親） | 女性名詞 Mutter(母親) | 中性名詞 Kind(子供) |
| 1格 ｜ der Vater 2格 ｜ des Vaters 3格 ｜ dem Vater 4格 ｜ den Vater |
1格 ｜ die Mutter 2格 ｜ der Mutter 3格 ｜ der Mutter 4格 ｜ die Mutter |
1格 ｜ das Kind 2格 ｜ des Kinds 3格 ｜ dem Kind 4格 ｜ das Kind |
注意しなければならないのは、男性2格と中性2格の場合のみ語尾に-sが付きます。それから「格って何のこと？」という人のために少し補足しておきましょう。格とは何かを考えるのではなく、日本語に訳すときにどのような助詞がつくのかを考えれば良いです。すなわち次のように訳します。
1格 ・・・ 「〜が」と訳す。 例） der Vater 「父が」
2格 ・・・ 「〜の」と訳す。 例） des Vaters 「父の」
3格 ・・・ 「〜に」と訳す。 例） dem Vater 「父に」
4格 ・・・ 「〜を」と訳す。 例） den Vater 「父を」
続いて不定冠詞を紹介します。
| 男性 | 女性 | 中性 |
| ein （アイン） eines （アイネス） einem （アイネム） einen （アイネン） |
eine （アイネ） einer （アイナー） einer （アイナー） eine （アイネ） |
ein （アイン） eines （アイネス） einem （アイネム） ein （アイン） |
これ以降、名詞が出てきたら、その度に辞書を引いて名詞の性が何かを調べるようにしましょう。またそれと同時に冠詞を付けて1格から4格までを通して1回は最低でも発音してみてください。
覚えるのは以上の2つだけにしたいところですが、そういうわけにもいきません。ドイツ語にはさらに定冠詞類と不定冠詞類と呼ばれるものがあるのです。以下にそれを表にまとめておくのですべて丸暗記してください。
| 定冠詞類 |
| dieser この, jener あの, solcher そのような, welcher どの？, jeder どの〜も,
aller すべての, mancher かなり多くの、いくつもの |
上表の定冠詞類は原則として語尾の-erを定冠詞のときと同じ要領で変化させていけば良いだけです。ただし、dieserのように少し異なる場合もありますから注意してください。
| 男性 | 女性 | 中性 |
| dieser dieses diesem diesen |
diese dieser dieser diese |
dieses dieses diesem dieses |
以下に示すのは不定冠詞類のなかでも否定冠詞とされているものです。基本的には変化の仕方は不定冠詞の場合と同じですが、男性1格、中性の1格と4格のみは異なるので注意してください（「男性1格と中性2･4格は変化しない」と覚えてください）。
| 男性 | 女性 | 中性 |
| 1格 ｜ kein 2格 ｜ keines 3格 ｜ keinem 4格 ｜ keinen |
1格 ｜ keine 2格 ｜ keiner 3格 ｜ keiner 4格 ｜ keine |
1格 ｜ kein 2格 ｜ keines 3格 ｜ keinem 4格 ｜ kein |
さらに所有冠詞というものもあります。これらは上で紹介したkeinの変化と同じです。
| 単数 | 複数 |
| 1人称 ： mein 「私の」 2人称 ： dein 「君の」 3人称 ： sein 「彼の」 ihr 「彼女の」 sein 「それの」 |
1人称 ： unser 「私たちの」 2人称 ： euer 「君たちの」 3人称 ： ihr 「彼らの、それらの」 |
* 敬称である「あなたの」と「あなた方の」はどちらもIhrです。
参考文献
