最終更新日　：　2007.9.12

ブレーキを交換しよう

　自転車の値段はコンポーネントの種類で変わるもので、フレーム自体の値段というか質はそれほど顕著に変わるものではありません。特にトライアルのような特殊なパーツは高価（希少価値があるといってよい）なので、フレーム自体はそれほど高くなくても、トータルで高くなるということがありえます。それに加えて自転車の重要なパーツとなるのが、今回、紹介するブレーキ周りのパーツです。

　ブレーキには大きく2種類あります。それは、(1)ディスクブレーキと(2)リムブレーキの2つです。ディスクブレーキとはホイールの中心に"わっか"が付いているもののことです。一方でリムブレーキとは多くの自転車に付いているような、ゴム製のブレーキシューが付いているやつのことです。一応、簡単にディスクブレーキとリムブレーキの特徴を説明しておきましょう。

　ディスクブレーキの特徴　：

安定した制動力がある。
ブレーキが利く感じとしては、一気に「カンッ」とストップする。
基本的にリムブレーキよりも値段が高い。

　リムブレーキの特徴　：

一瞬の利きはディスクブレーキより優れている。
水（雨天時など）に弱く、制動力に安定性が欠ける。
基本的にディスクブレーキより安価である。
ブレーキが利く感じは「シュー、ピタ。」と静かに止まる。

　ちなみに、リムブレーキにもカンチブレーキとVブレーキとに別けられますが、現状としてリムブレーキ＝Vブレーキと考えてよいでしょう。そのようなこともあって、本やwebサイトなどでもリムブレーキのことを単にVブレーキと記しています。

　また、ディスクブレーキとリムブレーキそれぞれにも、さらに、(1)油圧式ブレーキと(2)機械式ブレーキ（メカニカルブレーキ）とに別けられます。原則として油圧式のほうが値段が高いですが、油圧式のほうがより少ない力でブレーキをかけることができます。逆に機械式ブレーキは油圧式に比べて高い握力が必要となりますが、メンテナンスも簡単で安価であるという利点があります。

■　ディスクブレーキを装着したい場合

　まずMTBのフレームにディスクブレーキを装着できる台座がなければなりません。フロントおよびリアの左側に小さな穴が2つ空いている部分があるのですが、それがないフレームにはディスクブレーキを装着させることはできません。もっとも、今のMTBはほとんどがディスクブレーキの台座があるはずですから、特にその心配はないでしょう。

　次に必要なものとして以下のパーツが挙げられます。

ブレーキレバー（油圧式　or　機械式）
ブレーキワイヤー（油圧式ならオイル）
ワイヤーホース（油圧式ならオイルを入れるホース）
キャリパー（油圧式　or　機械式）
ローター（油圧とか機械とか関係ないが、センターロックか6穴タイプかを選ぶ必要がある）
ディスク対応ハブ（シマノのローターならセンターロック式、その他なら6穴タイプのハブが必要）
スポーク

　必要なものはけっこう多いのですが、場合によってはこれら全てを必要としないこともあります。例えば、、、

　ケース1（すでに機械式のVブレーキを装着しており、機械式のディスクに変更する場合）　：

　この場合はブレーキレバーは現在、装着しているものが流用できるので必要ありません。ただし、ワイヤーとホース（ホースとはワイヤーを覆っている細い管のこと）は長さが足りないので新たに買う必要があります。その他にキャリパーとローターが必要になりますが、ローターというのはホイールに付ける"わっか"のことで、そのローターを止める役割を果たすのがキャリパーです。

　また、ディスクブレーキに変更する場合、ローターを装着するためのハブ（ハブとはホイールの中心に付いているやつのこと）が必要になるわけで、ハブを変えるということは、実質的にスポークをすべて新しいものに買い換えるということになります。つまり、ホイールを0の状態から組み立てなければならないのです。

　ケース2（すでに機械式のVブレーキを装着しており、油圧式のディスクに変更する場合）　：

　これは一番、面倒なケースでブレーキレバーから買い換えなければならないので、上述したすべてのパーツを一式そろえなければなりません。油圧式はワイヤーとワイヤーホースを必要としない代わり、ワイヤーホースのような細い管のなかにオイルを注入することになるので、専用のホースとオイルが必要となります。

　ちなみに、ディスクブレーキ専用のリムがありますが、それは単にリムブレーキのブレーキシューが当たる部分がないリムのことです。本などで「ディスク専用ホイール」といったら、それはリムブレーキは使えませんよ、ということなので注意してください。ディスク対応というのは、どちらでも使えるということですが、問題なのはハブがディスク専用であるかどうかということです。

■　リムブレーキを装着したい場合

　リムブレーキにも油圧式と機械式がありますが、ディスクブレーキでいうところのキャリパーの代わりにアーチ（アーチとはブレーキレバーを握ると動く部分があるでしょ？アレのことです）が必要になります。原則として、フレームにリムブレーキの台座があり、ディスク専用のリムでなければ簡単に装着させることができます。

　もちろん、リムブレーキにおいても油圧式のレバー、ホース、アーチが必要ですし、機械式のレバー、ワイヤーホース、アーチが必要となります。

　やはり面倒なのは機械式から油圧式に変更する場合、もしくはリムブレーキからディスクブレーキに変更する場合でしょうね。ましてや、機械式リムブレーキから油圧式ディスクブレーキに変える場合は相当なお金と手間が掛かってしまいます。

　まぁ、図もないので分かりにくいでしょうから、少しでも分からないことがあったら、遠慮なく掲示板で質問してくださいな。私の理解を超えない範囲でならお答えしましょうぞ。